マンションを売却した時は税金を支払わなければならない可能性があります。譲渡税と呼ばれるもので、内訳は所得税と住民税です。
このときマンションを売った利益が譲渡益として課税対象になります。これには決められた税率が存在し、所有していた年数が大きく関わってきます。それだけでなく、売却時の状況によっては税金の控除が発生したり、税金そのものを支払う必要がなくなったりする場合もあります。
特に個人の住まい(マイホーム)を売却時には控除が得られることが多く、投資用マンションなどの売却と比べると負担が軽く済むことが多いです。さらに税金が課税されない状態、つまり利益がマイナスになった場合には、所得税や住民税が繰り越し控除になる仕組みも存在します。
これらの控除を受けたり、適正に税の支払いを行ったりするにはマンション売却時に確定申告を必要とします。その他にもマンション売却時には印紙代や消費税といった税金が課税されます。
マンション売却時の税金の手続きや計算にはいくつものルールや条件があります。これらマンション売却時の税金計算や控除等のルールについて、本文中では計算時に頻出する用語を追いながらまとめていきます。
目次
マンション売却時の税金の計算方法
マンション等の不動産を売却時には、それによって発生した利益に応じて所得税と住民税を支払う必要があります。売却時に得た利益については、サラリーマンにとっての給料所得とは違うので、自身で確定申告を行わなければなりません。
ここの利益とは譲渡益と呼ばれものです。この譲渡益を計算した結果がマイナス、つまり損失とみなされる場合は税金が課税されません。課税対象の利益が存在しないからです。
以下に売却時の税金について必要な手続きや税金計算に用いる用語、税金の計算式についてまとめていきます。
マンション売却時には確定申告をして所得税・住民税を支払う必要がある
マンション売却時には確定申告を行う必要が無いか特にチェックしましょう。確定申告の必要があるのに、その手続を行わなかった場合は延滞税という本来払わなくてもいい税金が発生しかねません。
譲渡益があった場合には確定申告することが必須です。適正に住民税や所得税を支払うためです。この時に確定申告をしないと延滞税が発生するだけでなく、適正な譲渡益を報告していないことより、より高く見積もられても仕方がないということにもなりかねません。
さらに経費などを計上して確定申告を行えば、より正しい譲渡益を申告が可能です。結果としてマンションを売った売却益のまま計算するよりも課税の負担が減ります。一方で、損失であった場合も確定申告した方が良いケースも多いです。税金の還付が受けられる時があるからです。
また、投資用、事業用だけが確定申告を必要するのだと思う人もいるかもしれませんが、個人の居住用の住まいとなるマンション売却時も同様に確定申告が必要です。
この記事の中で課税や軽減措置、他にも免除や控除、還付等の単語が出てきたときは、基本的に確定申告を行っていることを示します。確定申告を行わずには、どんな得になる制度も受けることができません。
税金の計算について
譲渡益は課税譲渡所得と呼ばれます。計算方法は以下の式で表されます。
課税譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 – 譲渡費用 – 取得費用 – 特別控除額
上記の式の計算結果がプラスであったときに、税金が課税されます。なお、特別控除は発生しない時もあります。
課税金額 = 課税譲渡所得金額 × 税率
確定申告後、普段自身が得ている所得にかかる税金とは別に課税されます。その計算は上記の式で行われます。
ここからは、税金の計算、特に課税譲渡所得金額を算出するために用いている用語について説明していきます。
譲渡所得
譲渡所得とは、一般的に、土地、建物、株式などの資産を譲渡した際の対価として生じた所得です。今回はマンジョンの売却についてなので、このときの売却益が譲与所得に分類されます。
課税譲渡所得金額=譲渡収入金額-譲渡費用-取得費用-特別控除額
上記の式の課税譲渡所得金額に当たる部分です。この数値がプラスであった場合には、通常の所得とは別に所得税と住民税が課税されます。
式を見るとわかりますが、売却金額がそのまま売却益となるわけではありません。そこから購入や売却時の費用や経費の計算、そして税金の控除が発生します。
ちなみにこの状態で手続きを進めないと、税務署からお手紙が届きます。「譲渡所得のおたずね」などのタイトルです。要は「確定申告をしてね」という内容ですが、該当する場合には連絡が来る前に動き始めないと、個人で行うには大変な手続きですので、はやめに動き始めましょう。
譲渡収入金額
土地やマンション譲渡の対価に当たる金額(=買い手から受け取る金銭の額)に、固定資産税・都市計画税といった、先払いしているお金を精算し手元に戻ってきた金額を加算した金額のことです。
上記を通常は譲渡収入金額と呼びます。他には確かな金額ではなく、換算して譲渡収入金額に入れるお金もあります。
例えば、マンションの譲渡の対価は金銭であることが多いです。しかし、もし金銭の代わりに物品などを受け取った場合も収入金額に合算しなければなりません。その場合は時価に当たる評価額が収入金額として扱われます。その他にも、基本的に経済的利益を得た場合は収入とみなされることが多いです。
個人がマイホームを売却する場合には、物や権利で対価を代わりに受け取るケースは多くないでしょうから、通常考えなくてもいいでしょう。しかし、もし該当する場合には確定申告の際に注意が必要です。
所得費用
売った土地やマンションの購入代金が代表的です。他に含まれるものは購入時の仲介手数料等や、見落としやすいところでは設備費や改良費などもこの費用に含みます。
また、マンションの購入代金は減価償却累計費を差し引いた金額で考えます。減価償却費(減価償却累計費)については、売却するマンションの経年劣化を購入代金に反映させるものです。詳しくは、「減価償却費用控除後の所得価格よりも安く売却したケース」の項目で触れます。
大きな所得費用は上記のとおりですが、他にもいくつも該当するお金があります。いくつか紹介していきます。
登録免許税(=記費用)や不動産取得税、特別土地保有税(取得分)、印紙税は通常発生することもあるお金です。ただし、業務用の資産、不動産の場合は所得費用に含みません。
珍しいところだと、立退料を計上できます。すでに住人がいるマンションを購入する際に立ち退き費用に支払ったお金が該当します。他にも、既に締結した購入契約を解除した違約金も計上できます。
マンション購入時に支払ったお金がここに該当するかどうかは、売却時に改めて確認するのがいいでしょう。
また、買った時期が昔過ぎて数値がわからない場合などもあるでしょう。そのような場合は次の計算式が使えます。
譲渡収入金額 × 5% = 所得費
これは概算法という所得費が不明の場合の計算方法です。これまで紹介した方法を実額法といい、所得費はどちらか数値が大きくなるほうの計算を用います。実額法に使う数字が揃わなかった場合は概算法を使うことになります。
また、実額法と概算法の考え方も事業用や投資用で変わって来ます。基本的に譲渡所得以外の計算も個人用の計算よりも難しいことが多いので、税務署や専門家に聞いたほうがいいでしょう。
譲渡費用
譲渡費用はマンションを売るためにかかった費用です。売却時に業者に支払った仲介手数料や広告料を計上できます。他の例としては、すでに契約済みで、より有利な条件で他者に売却する場合に発生した違約金も譲渡費用の扱いです。
ここで計上できる費用は売却時に直接支払った費用だけです。つまり、資産管理の費用や維持の費用(費用修繕費や固定資産税)などは譲渡費用に計上できません。
さて、実際に計算していく場合は、今まで見てきた数字を下記の式に入れていきます。
課税譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 – 譲渡費用 – 取得費用 – 特別控除額
例えば、4500万円のマンションを購入し、5000万円で売却できた場合、利益部分(譲渡収入金額-取得費用)は500万円になります。これにさらに、経費相当の仲介手数料やリフォーム代が認められ(譲渡費用や所得費用)、利益と相殺できます。
相殺後の金額が課税対象です。しかし、個人用のマイホームなどには特別控除が発生することもあります。この金額は3000万円です。
(譲渡収入金額-譲渡費用-取得費用)>特別控除額
特別控除額よりも左辺に当たる部分の額が多ければ、税金の対象になるという考えでいいでしょう。もちろん左辺部分が赤字なら、税金の対象にはそもそもなりません。
この譲渡所得が赤字、マイナスであった場合は、他の所得と損益通算の結果として所得税の免除や控除を受けられたりします。
ただし、上記の控除や免除、特別控除の恩恵を受けるには条件が存在します。
課税金額 = 課税譲渡所得金額 × 税率
最終的に税金を求める上記の式についても、次の項で触れていきます。ここも条件による分岐があります。
マンション売却にかかる税
マンション売却時の譲渡所得税の計算においては、適用する税率によって計算結果が変わってきます。これは長期譲渡所得税と短期譲渡所得税という2種類に分類され、それぞれの税率が決まっています。短期譲渡所得税のほうが税率では上です。
この長短は売却した年の1月1日における所有期間が5年以下か、5年より多いかで決定します。もともとは土地ころがしの抑制のための制度です。マイホームとして購入した(生活に必要とする)人ほど負担を軽減し、今、必要としている家庭が手にしやすいようにしたのです。
この考え方の先に、さらに負担を軽減してくれる税金の軽減措置があります。それは、売却時の課税計算に軽減税率を導入することです。
また売却時には収入印紙代や消費税等の税金も発生します。以降にはこれらの取り扱い方や計算方法を確認していきます。
所得税・住民税
マンション売却時に生じる税金に所得税と住民税があります。これは利益に対して課税されているので、売却時に利益が発生しなかった場合は課税されないことを何度か書いてきました。
利益が出たときとは、例えば購入時よりも高くマンションを売却できた場合のことです。4500万円で購入したマンションが5000万円で売れた場合は利益が発生しています。
上の例では500万に対して課税されます。また、本来の計算では経費等も計上でき、利益と相殺できます。この500万に一定税率で課税され、所得税と住民税として納税しなくてはなりません。計算方法自体は次の項で詳細に触れます。
また、課税だけでなく、売却時に損が発生した場合には、その他の所得と損益通算のうえ、免税あるいは控除される制度があります。この時最低限、所有期間が5年を超えていることと、実際に居住用として用いられていたことが必要です。
損失時に控除や減免があるように、マイホームとして使用していたマンションの売却では利益は出にくいでしょう。当然、新たに税金として所得税や住民税も発生しないことが多いです。マイホーム売却時は殊更に税金を気にする必要はないかもしれません。
個人用ではなく、賃貸マンションのような事業用や投資用の不動産を売却した場合も所得税や住民税が支払う必要があります。マイナスが発生する場合は課税されないのは、個人のそれと同様です。居住していたマンションではないので、マイホーム向けの特例は利用できず、課税額は高くなりがちです。
譲渡所得税
譲渡所得税の税率についてまとめていきます。まずはベースとなる税率の説明です。長短は5年以下か5年超かで分岐します。
| 税の種類 | 所得税 | 住民税 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 短期譲渡所得税 | 30% | 9% | 39% |
| 短期譲渡所得税 | 30% | 9% | 39% |
これらの数字を税率に用いて、
課税金額 = 課税譲渡所得金額 × 税率
の式で課税金額が算出されます。5年よりも多く利用すると、税金がほぼ半分になります。
また、所有期間10年以上では税金の軽減負担の特例を受けることができ、税率は以下の通りです。
| 課税譲渡所得金額 | 所得税 | 住民税 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 6000万円以下 | 10% | 4% | 14% |
| 6000万円を超える部分 | 15% | 5% | 20% |
先に用いた例を使って計算してみます。4500万円のマンションを購入し、5000万円で売却できた場合の話です。
課税譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 – 譲渡費用 – 取得費用 – 特別控除額
所得費に当たるマンション購入代金は本来、減価償却費などの経費を差し引いた金額として計上されます。ここでは計算後の数値としました。
上記の式に当てはめると、課税譲渡所得金額 = 5000 – 譲渡費用 – 4500 – 特別控除額となります。
また、仲介手数料やリフォーム代が譲渡費用や所得費として計算できます。ここでは400万とします。特別控除があれば税金が発生しない金額ですが、ここでは特別控除もなしとします。
すると、5000 – 400 – 4500 = 100万円が課税譲渡所得金額になります。この金額に税率をかけていきます。
課税金額 = 課税譲渡所得金額 × 税率
の式に代入していきます。
5年以下の短期譲渡所得税の場合は、100万 × 39% = 39万円
39万円が税金として課税されました。
あるいは5年を超えた長期譲渡所得税の場合は、100万 × 20% = 20万円
20万円が課税されました。
実際には個人用なら特別控除が発生したはずなので、課税はなしとなります。投資用では課税が発生しました。
このように年数で大きく課税金額が違います。ここからは、その条件となる年数の考え方をまとめていきます。
譲渡所得税の5年の数え方
長期譲渡所得税の対象となる5年の考え方ですが、実際には5年以上所有してから適用になるケースが多いです。この理由は年数の数え方によります。
所有期間の5年とは売却した年の1月1日がキーポイントになります。売却した年の1月1日が所得日から5年経過しているかどうかで判定するからです。
例えば平成29年中にマンションを売却すると、平成29年1月1日が判定に用いられます。この例ですと、平成23年12月31日以前に購入のものは長期譲渡所得税で計算します。
売却した年の1月1日を基準にする関係以上、実際の所有期間が5年間よりも長くなることが多いです。4年と5年では課税金額が大きく違うので、次の機会を見込むのもいいでしょう。
マンション売却時の税金計算にはいくつかの特例があります。計算上の注意点とあわせて見ていきます。
譲渡所得税の特別控除の特例
マンション売却時の税金計算にはいくつかの特例が認められています。一つは3000万円の特別控除です。これまでの税金計算の中にも度々出てきていたものです。
課税譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 – 譲渡費用 – 取得費用 – 特別控除額
他には軽減税率の特例があります。実はこれも既に取り上げていて、10年以上住んでいる場合の軽減税率のときに説明しました。最後にまだ触れていない買い換え特例があります。
ここでは3000万円までの特別控除と買い換えについて触れます。
居住用の建物として使用していたマンションには特例が認められます。これが特別控除と呼ばれる制度です。要するにマイホーム等、住まい用の物件を売却した時には特例が受けられる制度です。
居住用の物件であり、自分が実際に住んでいたマンションであれば、この制度で3000万円の特別控除の特例を利用できます。
譲渡収入金額 – 譲渡費用 – 取得費用 < 特別控除額(3000万円)<
この式が成立するときは税金が課税されません。
この時満たすべき要件は以下のとおりです。居住用財産の定義について確認しましょう。
- 実際に売り手が居住しているときは要件を満たします。
- 転居したのちに売却となった場合は、転居3年後の12月31日までは適用されます。
- 災害などにより家屋がなくなった場合は、その日から3年後の12月31日までに敷地だけを売却した場合は満たします。
- 転居後に家屋を取り壊した場合は、転居3年後の12月31日まで、あるいは取壊し後1年以内どちらか早い日付までの売却は要件を満たします。
- 身内などへの売却では要件を満たしません。
基本的に投資用ワンルームマンションなどは特別控除の要件は満たしません。繰り返しますが、マイホームの売却には問題なく適用されます。
その他の特例である買い換え特例を見ていきます。
例えば、2000万円で購入したマンション(Aとします)を3000万円で売却したと仮定します。この後、4000万円のマンション(Bとします)に買った場合、通常1000万円の譲渡益が発生し、課税対象となります。※経費などはこの仮定では考えないものとします。
このとき、一定の要件のもとで1000万への課税を将来へと繰り越すことができます。これを居住用財産の買い替え特例(課税繰延)といいます。
売却した時は課税が行われず(免除にはなりません)、買い換えたマンションを将来売却するときまで課税が繰り延べられます。
この買い替えたマンションBを、将来5000万円で売却した場合について考えます。マンションBの譲渡益は1000万円ですが、その金額だけに課税されるのではなく、特例を受け課税が繰り延べられていたマンションA売却時の1000万円を加えた2000万円が課税対象です。
この特例は以下の要件を満たす必要があります。
・10年以上その建物に住んでおり、居住用として利用していることが必要です。
・身内への売却ではないことが必要です。
以上のような特例があるが、つまり投資用、事業用マンションの売却では3000万円の特例や、10年超の軽減税率、買い替え特例は受けられないと言えます。
収入印紙代
収入印紙とは国庫の収入になる税や手数料を徴収するために行政から発行される証書です。これを用いて支払う印紙税とは、売買契約書を交わすときに発生する税金です。
契約書に記された金額によって税額が決まっています。
この印紙代は軽減措置があり、平成30年3月31日までです。契約書の記載金額が10万を超えている場合に適用されます。
軽減措置適用後を含め、都度計算するものでもないので一気に記載してしまいます。
| 契約書記載の契約金額 | 本来の税率 | 軽減税率 |
|---|---|---|
| 1万円以下 | 非課税 | 非課税 |
| 1万円から10万円 | 200円 | 200円(軽減税率適用外) |
| 10万円超・50万円以下 | 400円 | 200円 |
| 50万円超・100万円以下 | 1000円 | 500円 |
| 100万円超・500万円 | 2000円 | 1000円 |
| 500万超・1000万円以下 | 10000円 | 5000円 |
| 1000万円超・5000万以下 | 20000円 | 10000円 |
| 5000万円超・1億円以下 | 60000円 | 30000万 |
| 1億円超・5億円以下 | 10万円 | 6万円 |
| 5億円超・10億円以下 | 20万円 | 16万円 |
| 10億円超・50億円以下 | 40万円 | 32万円 |
| 50億円超えるもの | 60万円 | 48万円 |
消費税
マンションを購入した場合に、その代金を課税標準とし消費税が発生します。不動産売買の観点から見ると、土地は非課税ですが建物は課税対象です。2017年現在では、譲渡金額、売却金額に8%の消費税がかかります。
また業者への仲介手数料にも消費税が発生します。ただし課税対象になる要件を満たしている場合の話です。これが適用されるマンション売買の要件は以下の通りです。
- 場所は国内(国内取引)であることが要件です。
- 事業者が事業として取引を行い、対価を得た場合です。
要するに商売としての行為であれば、課税対象となるという話です。つまり個人が売り手となり、住居として利用した住まい(マイホーム)や別荘(セカンドハウス)の取引は消費税がかかりません。
しかし、個人の場合であっても投資用マンションや収益物件など、事業にかかわらないは物件の売買にも消費税が発生します。売主が個人であっても、居住用のマンションではなく投資用マンションを取り扱うということは、 (不動産投資)事業に見られるためです。
マンション売却時に税金がかからないケース
マンション売却時に税金がかからないケースがあります。これまでの本文中でも、いくつか税金がかからないケースを取り上げました。購入金額より売却価格が安く、譲渡益がなかったケースであったり、譲渡所得が3000万以下のときに特別控除が適用されたりした場合などです。
これらの税金がかからないケースをまとめていきます。個人用のマイホーム売却であれば、該当する可能性が高いです。個人にとっては生活必需品ですので、特例や控除を受けやすいからです。
また、最終的に税金を計算する上では、実は減価償却費用を控除後の所得価格が必要になります。この減価償却の取扱にも触れていきます。
購入金額よりも売却金額が安いケース
このケースは問答無用で税金が発生しません。そもそも税金は利益や所得が発生した場合に課税されるものです。譲渡益がなければ、課税対象の所得もまたありません。
このケースでは逆に税金が免除されたり、控除されたりすることがあります。その条件として、まずは居住用の建物、マイホームとして使っていた場合(必要不可欠の物件)が該当します。
そして満たすべきもう一つの要件として、譲渡した年の属する1月1日を基準として所有から5年が経過していることです。
例えば、サラリーマンであれば既に所得税を天引きで払っていますが、確定申告で赤字を報告することで、税金が戻ってくることになります。本文中でも簡単に触れていましたが、これを損益通算と言います。
税金を納めるのではなくとも、損益通算や税金の手続きを行う上で計算結果は複雑なものになりがちです。特にローンがあった場合は個人で計算してもミスをする可能性があります。税務署や税理士に確認しながら、進めたほうがいいでしょう。
また、賃貸マンションなどの事業用マンションを売却し、損が出た場合も他の不動産の利益と損益通算することが可能です。ただし、給与所得などとは損益通算することは不可能であるなど、個人の際の考え方よりも複雑です。やはり相談、確認して進めたほうが良いでしょう。
譲渡所得が3000万円以下のケース
先に確認しましたが、居住用財産であれば特別控除が3000万円認められます。これは住んでいた時期の長短を問わないため、マイホームの売却に利用すると良いでしょう。
所得が3000万円を超えるような売却を、居住用財産で行うことは稀でしょう。マイホームを売却するだけであれば、課税をあまり気にする必要はないとする根拠となる制度です。
事業としての売却、あるいは個人であっても投資用マンションなどの売却には、この特例を用いることができない点は注意しましょう。
ここも確定申告が必要です。3000万もの特例を得る手続きです。忘れることがないようにしましょう。必要な書類とともに確定申告して初めて、特例を利用した場合は課税対象に該当しないと判断されます。
減価償却費用控除後の所得価格よりも安く売却したケース
より正確に利益が発生するかどうかの計算では、購入金額に減価償却費用控除を考えなければなりません。新品で売るわけではありませんから、建物の経年劣化分の購入金額の減少を考慮するわけです。
これまで計算に用いるのは購入金額と言ってきましたが、本来は減価償却費用控除後の所得価格が正解です。減価償却費の仕組みについてまとめます。
建物には構造ごとの耐用年数が定められています。これは減価償却費を計上できる期間です。この耐用年数に対応する償却率がそれぞれ定められています。もっとも、マンションは構造が鉄筋であることがほとんどですので、ここでは鉄筋をベースに説明します。
鉄筋の耐用年数は非事業用で70年、事業用で45年です。償却率はそれぞれ0.015と0.022で計算します。非事業用の計算式は以下のとおりです。
購入代金 × 0.9 × 償却率 × 経過年数
の式で減価償却費が算出できます。
例として購入時5000万円の物件を20年後に売却する際を取り上げます。
減価償却費は5000万 ×0.9 × 0.015 × 20 = 1350万円となります。所得費用は3650万円となります。
6650万円超えの売却を行った場合は、特別控除が(3000万)が適用されても、(他の経費にもよりますが)税金が発生するかもしれません。
減価償却後の所得費で計算し、それでも購入金額よりも売却金額が安かった場合は税金がかかりません。
また、事業用の減価償却費を求める場合はまた別の計算式を使います。事業用の場合は高く計算されがちです。
マイホームの売却なら税法上有利
マンションを売却すると税金がかかる可能性があります。この税金の内訳は所得税と住民税です。実際には売却した時に必ずかかるわけではなく、利益が発生したかどうかや、控除の特例などを受けたかどうかによって、税金を支払う必要があるかが変わってきます。
その際にはマンションを購入していた目的が居住用であったのか、あるいは事業や投資用であったのかが一つの大きなキーポイントです。
税金計算の上では、個人が居住用に所有していた方が税金の負担が軽くなります。また他のポイントとしては、どれくらいの年数を所有していたのかによって税率が変化します。
他の税金である消費税などもそうですが、基本的に生活必需品としてマイホームの用途として住んでいた場合には、税金売却時に利益が出た場合に負担が軽くなるように定められています。
利益がある場合は確定申告を行わなければなりません。行政に申告を出さなければ、どれだけの金額が課税対象になるのか伝えることができません。ヘタをすると自分が認識しているよりも多くの金額を税金として支払わなければならなくなる可能性もあります。必ず手続きを行い、適正の金額を支払いましょう。
逆に損益通算と言って利益ではなく損失が出た場合の制度があり、他の所得と通算し税金の還付が受けられる可能性があります。この場合にも確定申告は必要です。損であれ、利益であれ確定申告は必要である可能性が高いと覚えておきましょう。
得であれ、損であれマンション売却時の税金の考え方は、個人が売却する場合には、課税を軽くするようにできています。逆に投資用や事業用のマンション売却時には、より複雑な制度が適用されますので注意が必要でしょう。
マンション売却時の税金シミュレーション
購入時の価格を6000千万であったマンション8年で売却したとします。以下の式で計算していきましょう。
課税譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 – 譲渡費用 – 取得費用 – 特別控除額
所得費を求めるために減価償却費などが必要です。
購入代金 × 0.9 × 償却率 × 経過年数
つまり、6000万 × 0.9 × 0.015 × 6 = 486万円
これを差し引いた段階の購入金額は5514万円です。その他経費の計算を含め、ここでは所得費は5000万円であったとします。
ほか売却時の経費の計算を反映する譲渡費用を400万円とします。すると税金を求める計算式は、以下のようになります。
課税譲渡所得金額 = 8000万 – 400万 – 5000万 – 特別控除額
課税譲渡所得金額 = 2600万円 – 特別控除額
特別控除は3000万円です。今回は個人のマイホームとしてのマンション売却を考えていますので、問題なく適用されます。このケースでは譲渡所得がマイナスになります。
課税されませんが、損益通算はあり得るので確定申告を出したほうがお得です。
このケースですと、課税は発生しませんでしたが、少し条件を変え、9000万円で売却した場合は課税されるでしょう。経費などの条件を変えないものとして計算すると、
課税譲渡所得金額 = 9000万 – 400万 – 5000万 – 特別控除額(=3000万円)
課税譲渡所得金額は600万になります。このときの、課税金額は6年所有したマンションですので長期譲渡所得の税率で計算されます。
400万円の15%、60万円が所得税として、400万円の5%、20万円が住民税として課税されます。
この時買い替えを行うのなら、買い換え特例が受けられます。個人の居住用のマンション売却時の特例です。課税を繰越できます。
投資用の場合は、ここで見た特別控除や買い換え特例、あるいは10年超の所有をした場合の軽減税率の特例が受けられないことになります。
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